副業/投資としてのアンティークコイン(古銭)の始め方。 ~スラブの見方、偽物スラブの判別方法~
副業/投資としてのアンティークコイン(古銭)の始め方。 ~スラブの見方、偽スラブ判別方法~
新しくアンティークコインを始める場合は何から始めたらいいですか?
昔は裸のコインが主流だったが、10数年前からスラブ(鑑定付きプラスチックケース)が登場して、コイン投資の世界が初心者にも大きく開けたんだ。
偽物ではないと証明してくれるのですね。
そうなんだ。偽物コインは年々精巧になっており、経験者でもわかりにくいものが多い。。
でもスラブの登場で偽物リスクは各段に減った。
ただ、偽物スラブも少なからず存在するから、紹介するよ。
あと鑑定評価により、コインの比較が容易になり、コイン投資がぐっと身近になったんだ。
まずはそのスラブの見方の基礎をみてみよう!
こちらもチェック!
コレクター歴11年のノウハウを発信中。
コイン売買件数2000回超え、資産は11倍。
サラリーマン⇒フリーランスでゆったり生活中。
まず下の実際のスラブの写真をみてみよう。
コインの上に鑑定数字が書かれている。
太字でMS65って書いてあります。
まず鑑定の基本ルールは以下にまとめたから確認してくれ。
- PCGS社とNGC社の米国にある2大鑑定企業が有名です。 (この2社以外のスラブは同じ数字でもやや市場評価が下がる。。)
- MS(流通用)/PF(贈呈用:鏡面状仕上げ)/SP(試作用であったり、PCGS社はメダルに用いられる表記)
- 1~70(最高)までの数字評価 (60~64が未使用、64~70完全未使用のイメージ)、 60以下は、50台がAU(準未使用)、40台がXF(極美品)、 20~30台がVF(美品)の評価となる。
- 数字が付かない場合(何かしらの欠陥がある場合)DETAIL表記となる。(例:UNC DETAILS₌欠陥以外の部分は未使用) (DETAILS評価は数字付より評価は大きく下がる。。 コインによっては半額程度にも。。) (欠陥理由で多いのは、Environmental Damage:環境汚染、Cleaning:洗浄、Altered Color:不自然変色、REPAIRED:修正 )
- PFの数字横にDEEP CAMEO/CAMEOの表記がある。 (フィールドの鏡面とデバイスのコントラストが明瞭)
このコインのNGC社鑑定はMS65、完全未使用品にあたる。
また、1955年レウニオン発行の5フランアルミニウム貨幣と分かる。LEC-69はカタログの番号になる。
MS65の下に当たる[7桁-3桁]の数字が鑑定番号になる。
鑑定番号とは何ですか?
スラブが本物かどうか確認できる手段になる。
NGC社のホームページで鑑定番号と数字を記入すると、そのコインの写真や基本情報、鑑定数などがわかるんだ。
写真と実際のコインを見比べて本物かどうかを判断する。
Coin Grading | Numismatic Guaranty Company | NGC (ngccoin.com)
PCGS社の場合は赤枠の最後の8桁の数字を、ホームページで入力する。
PCGSアジア | プロフェッショナル・コイン・グレーディング・サービス-世界規模での保証 (pcgsasia.com)
鑑定枚数や、鑑定された数字以上の鑑定枚数がどれくらいあるのかがわかるのですね。
そうなんだ。鑑定された数字が希少かどうかがわかり、投資の判断材料になる。
次は僕が実際に遭遇した偽物スラブを紹介するよ。
少し怖いですが、宜しくお願いします。
以下の写真を見て欲しい。
左が実際に8年前に国内オークションで落札したコインだ。
左が偽物スラブ、右が本物スラブになる。
正直違いが分かりません。
はっきり言って、実際にオークションに出品されていたのだから、経験者でも分かりにくい。
先程の説明のように、鑑定番号の写真とコインを見比べれば分かるんじゃないですか?
これは、写真が登録されていないスラブを狙っているんだ。
だから先ほど説明した方法では偽物を判別できないんだ。
なぜわかったのかは、少し特殊なので以下でまとめたから確認してくれ。
- 字体が比較できる同種コインで同じラベルの本物コインを所持。
- 同種コインで、手持ちの唯一品鑑定品が、なぜかヤフオクで出品されており、字体が違う偽スラブがある事を知っていた。
- コインの状態が鑑定数字に合っていない。(少し安かったので落札)
これだけの事が重なって初めて偽スラブが分かるのなら、
中々見抜けないですね。
こちらはかなりレアな一例だと思っていい。
基本は鑑定番号の写真で見比べて分かるので安心してくれ。
この一例で言いたいことは、鑑定番号で写真がない場合は、万が一があるという事を知っておいて欲しいんだ。
このコインはその後どうされたんですか?
オークション会社に返品を相談して、了承されたんだ。
その際に、スラブの字体が比較できる写真と、ヤフオクでの偽スラブ(スラブの字体が異なる)の画像を添付した。
オークション会社は翌日にスイス本国からスイスコインに詳しい方が来日するとの事で、確認させて欲しいとの事。
その後やはり疑わしいとの事で、返品が認められたんだ。
オークション会社の対応は大変丁寧であった事は付け加えておくよ。
わかりました!まずは鑑定番号の写真と見比べる事が大切ですね!